コーチ後藤の体験「勝ちに価値を!」

2013.04.17

私はコーチとして、次のことを子供たちに常々言い聞かせています。

 

【勝つことに価値がなければ、結果には意味が無い】

 

このことは、スポーツマンシップにおいては、当たり前のことですが、現在の日本では勝利至上主義(勝つことがすべて)が一部横行していて、スポーツが本来もたらす有意義な体験と、それに基づく素晴らしい能力の体得が軽視されている現状があります。勝負の中では、勝つために常に最善の努力をすることが当たり前です。しかし、競技としてのスポーツ活動を通して、本当に価値のあるものを得るためには、時として“勝ち”よりも優先するべきものが存在しています。それを見抜き実行する感性を養う前に、勝つことを過剰に優先させる場面を見るたびに、私は本当にこのままで日本のスポーツ界がより良くなるのか不安に思います。

 

この言葉をご存知でしょうか。

「一番大切なことは、勝利することである。

二番目に大切なことは、敗北することである。」

これは、アメリカの元プロテニスプレーヤーのジミー・コナーズ(元世界ランク1位)の言葉です。この言葉が、私たちがスポーツを競技として取り組む上で、大切にするべきすべてのことを言い表していると思います。

「勝つことは二の次」と言っているのではありません。

勝つために最善の努力をすることは、当たり前のことです。

しかし、繰り返しになりますが、時として“勝ち”を追求することよりも優先するべきことが存在している、ということに気づく感性を養うことが、最終的には「真の強さ」を身につけることになると確信しています。確信している理由は、私が体験したことから由来します。

 

 

私が29歳の時です。

この頃の私は、出場する大会のほとんどが優勝か準優勝でした。

今思うと、それは勢いだけで、真の実力は・・・微妙でした。

テニスや勝負の奥深さを知っていたかというと・・・それも微妙でした。

ですから、結果が出ていてもプレー内容には満足のいかない自信のないプレーヤーでした。

 

「麻生杯静岡テニストーナメント大会」という歴史のある大会が静岡にあります。

静岡大学生が運営するオープン大会です。

出場者のほとんどが、現役バリバリの大学生です。

静岡県のトップレベルの選手も出ています。

私はこの大会にチャレンジしました。

 

大会参加1年目、私は決勝でM選手という方に負けました。

心・技・体・戦術、そのすべてにおいて完璧に負けました。

 

2年目、また決勝でMさんとの対戦になりました。

対戦前、M選手が腰を痛めていて低い態勢を保てない、との情報が入りました。

「ドロップショットを使おう。」・・・一瞬、そう思いました。

ドロップショットとは、ネット際に落とすショットのことで、それを取るためには前傾姿勢になり、腰にはかなりの負担がかかります。

私は、のどから手が出るほど、麻生杯のタイトルが欲しかったのです。

 

しかし、腰痛の相手に対してのドロップショットはやめました。

 

そして、すべて深いボールだけでM選手に挑みました。

 

結果は、負けました。

 

帰りの車の中で、自問自答しました。

「相手に対して失礼だったのでは・・・」

「勝負の世界に徹するべきだったのでは・・・」

 

翌年、3年目のチャレンジ。

優勝しました。

(対戦相手はM選手ではありませんでしたが・・・)

 

私たちプレーヤーは、常に次のことを自問自答する必要があります。

「勝負の相手は、誰だ!?」

「相手のすべてを受け止める自信は、あるか!?」

「相手のすべてを受け止めるために、どのくらいの準備をしてきた!?」

「真の強さとは、何だ!?」

 

これらの質問に対し、明確に回答できる選手を育てること。

そして、そのために全力で挑戦する選手を育てることが、私の使命だと思っています。

Jr. TEAM 選手育成コースが目指すもの

2013.04.17

Jr. TEAM 選手育成コースが目指しているもの

 

1.「真の強さ」の追求

2.「スポーツマンシップ」の体得

3.「主体性」を育む

 

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Jr.チーム活動目的

2013.04.17

■Jr.チーム活動目的

 当クラブJr.TEAM選手育成コース(Jr.チーム)の方針は、「結果」よりも「過程」(個人の努力内容)を大切にします。これは、「個人の努力内容」によって「結果」が左右されるからです。結果の出ない努力をするのではなく、結果を出すための努力をする、ということです。ただし、結果=勝つ、と短絡的に結び付けずに、結果=成果(自己分析による自己判断によるもの)であることが望ましいと思います。「勝つ」というのは結果であり、判断材料の一つに過ぎないということです。

 Jr.チームの真の活動目的は、「個人の努力によって個人の能力が向上する」ことです。具体的な取り組みは、以下の通りです。

 Jr. チームでは、選手一人ひとりのレベルに応じた取り組み(練習等)を最重要視しています。大会のレベルは全国大会から地域大会まで様々ですが、各選手に合った大会へのチャレンジと、そのための準備(練習)が重要です。

 そのためには、まず、テニス選手としての自分のレベルを知ることです。テニスというスポーツで上達するためには、「技術」「体力」「メンタル」「戦術」の4つの分野をバランスよく向上させることが課題となりますが、これら4部門についての現在のレベルを選手自身がよく理解している必要があります。自分自身の良いところは戦っていく上で自信や武器となります。良くないところは練習での克服課題となります。もちろん良くないところだけではなく、現在良いと思われる部分でも将来的に見てもうすこし伸ばす必要があるのなら、それも練習課題となります。こうして、個人の取り組む課題(練習テーマ)が一つひとつ確定していきます。

 個人による練習テーマが確定したら、次はそのテーマをクリアするための「強い決断力と実行力」が必要になります。短期間(1~2週間)でクリアできる場合もありますが、2~3年かかる場合もあります。いつクリアされるのかは、正直誰にもわかりません。辛抱強く、粘り強くコツコツと前向きに努力を積み重ねていくことが大切です。粘り強く練習を繰り返すこと以外に、自分のテーマをクリアする方法はありません。しかし、逆に言えば、あきらめずに粘り強く練習を繰り返していけばいつかは必ず達成できるのです。

 また、練習中は、各ドリルによってテーマが異なります。選手はその与えられたテーマをクリアするために練習を行いますが、自分独自のテーマと並行して練習を行うということになります。頭をしっかり使って練習するということになります。

 このような取り組みを行っていく中で、年間を通していくつかの大会に出場していくことになります。大会へ出場する最大の目的は、現時点での自分のレベルを知り、また次への取り組みへつなげていくための材料を発見する、ということです。もちろん結果を出すためにも日々の努力は行われていますし、結果を出すことができれば、そのことが喜びや自信となり、その後の練習への取り組む意識が高まります。また、「勝てば全国大会」といった、勝敗に深い意味のある試合もありますし、そのような場合はどうしても勝敗にこだわります。このこだわりを自分の中でうまく爆発させてプレーに活かせればよいのですが、一般的には勝敗に心が捕らわれすぎると、試合前に良い精神状態が作れなかったり、試合中の自己分析や試合後の自己評価が正しくできなかったり、必要以上に自分にプレッシャーをかけてしまいプレーが委縮し、その結果、試合中のあらゆる場面でチャレンジできなくなってしまう、といった逆効果となってしまいます。

 大会という位置づけを、「勝ち負けや順位を決める決戦の場」という枠だけでなく、今までの取り組んできたことが試合の中でどのくらい表現できるようになっているのかを確かめる「チャレンジの場」といったもう一つ大きな枠で捉え、試合中はもちろん試合前や試合後も含めて、あらゆる場面において常に前向きに行動することがとても大切です。こうすることで、自分自身をコントロールすることができ、自分の真の実力が出せ、勝敗に関わらず自分のテニス(試合前、試合中、試合後などすべての場面)に対して納得ができるでしょう。

 話が横道にそれますが・・・「優勝する」には理由があります。ある選手が、日々の取り組みによって4部門の能力向上が見られ、ある大会の他の出場者レベルと比較した際に、自分のレベルが上回っていれば、その大会で優勝する可能性は高いと言えます。あとは、その選手が自分自身の実力を発揮するための準備(戦うための心と体のウォーミングアップ)をしっかりと行えば、よほどのことがない限り結果は予想できるでしょう。これが「優勝する原理」です。

 話を元に戻します。繰り返しになりますが、大会へ出場することの最大の目的は、現時点での自分の4部門の実力をしっかりと発揮し、自分の取り組みの成果をしっかりと理解し、次への取り組みへと活かす、といったテニスを通じた個人テーマへの取り組みのサイクルをしっかりと回転させていくための一環(であり一部)とするためです。

 練習の仕方と試合に対する取り組み方について述べましたが、これらを踏まえた活動こそが、「テニスを通じた人間形成」となります。

 ゴール(終わり)とは、自分で決めない限りありません。また、成長とは自分がそれを望まなくなった時点で止まります。

 自分の実力を正確に理解し、それを踏まえた練習を行い、どのくらい向上したのかを試合の中で把握し、次の練習テーマを決める。こうして再び練習は再開されていきます。4つの分野のどの部分をどのようにしていくのかが、「練習テーマの決定」になり、それを克服するための取組が「練習する」というこよになります。そして、試合に出ることが「その取り組みの成果を知る」ということと、「次へのチャレンジのための練習テーマの決定」ということになります。

 「練習」 ⇒ 「試合」 ⇒ 「分析」 ⇒ 「練習」 ⇒ 「試合」 ⇒ 「分析」 ⇒ ・・・・・

 この流れは、永遠に続きます。そして、選手があきらめない限り、その選手は永遠に成長し続けます。そして、あきらめずにやり抜くことが人間形成に必ず役に立ちます。

 

 このことが、Jr.TEAM選手育成コースの最大のテーマです。

 

【活動目的の補足】(PDF)はこちら

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