ジュニア選手交流練習会を終えて
手記:後藤(Jr.選手コース担当コーチ)
2025年8月16日(土)朝7:00~12:00、「東陽TS・NWTCジュニア選手交流練習会」を開催しました。
当日は、東陽TSから4名、NWTCから15名の子どもたち(小4~中3)が当クラブへ集まりました。コーチは、東陽TSから山本コーチ、NWTCからは増田、後藤が担当しました。
実は、この交流会の3週間前から、私たちNWTCジュニア選手コースの子どもたちは、ある準備をしてきました。それは、東陽TSの子どもたちに気持ちよくテニスをしてもらうために、次の3つのことを大切にしていこうと取り決めたことです。
1.グッド・ジャッジ
・正々堂々、フェアに明確にジャッジする
・判断に迷う場合は「相手に有利」にジャッジする
2.グッド・ジェスチャー
相手のナイスショットに対してラケットで拍手するようなジェスチャーで相手を称える
3.良い行動
「ボールを渡すとき」「ポイントをコールするとき」「相手の質問に答えるとき」など、気持ちの良い態度で接する
1と3はテニス界では一般的なものなので知っている方は多いと思います。
2.グッド・ジェスチャーについては、日本ではポイントを落とした時にまず悔しがります。その時に、相手を称える表現はあまり見受けられません。
しかし、海外のスポーツ先進国の子どもたちはそれを普通に行っています。
ポイントを失うことは、世界中どの子も悔しいはずです。しかし、海外の子どもたちは、悔しがるよりも「相手を称える行動」をとっているのです。
「勝敗」よりも前の、スポーツそのものに対する捉え方が、海外と日本では根本的に違うと感じています。
当クラブのチーム生たちには、この部分を丁寧に説明し、単に相手も気持ちがいいだけではなく、その後の自分のプレー内容にも良い影響を与えるとつけ加えました。
当日、朝7時前から、ぞろぞろと子どもたちが集まり始めました。
集まった子から順にクラブや学年など関係なく2~3人のグループになって、ウォーミングアップを開始していきました。ウォーミングアップの30分間は子どもたちにすべてを任せ、コーチの介入はしないようにしました。
7:30~10:30まで、試合を行いました。
様々な学年、テニスレベルがある中で、すべての子どもたちに共通して言えることは、みんな「テニスが大好き!」ということです。
当日は大変暑く厳しい環境でしたが、「まだ、できます!」「もっと、やりたいです!」と言って、シングルス4試合やった子もいました。
10:30からは冷房の効いているクラブハウス内で、30分軽食&談笑休憩を取りました。
11:00~12:00は、参加者19名を4コート(4グループ)に分けて、練習をしました。
ポイントマッチ系を多くし、競い合う楽しさの経験を優先しました。
最後の10分は、全員を1コートに集めて「ツートップ」という、大人数でも楽しめる練習メニューで盛り上がり、練習を終了しました。
最後に私から、子どもたちと保護者の方々に、次のようなお話をさせて頂きました。
ここにいる皆さんは、テニスを通じた仲間です。
よく「試合が終わったら、仲間に戻る」と言われます。
しかし私は、「試合中も、仲間」だと思っています。
その理由は…
皆さんは試合中、一生懸命できる限りの良いショットを繰り出そうと最高の努力をしながらプレーしていると思います。
しかし、最高のショットを打ち続けても、相手もそれに必死に食らいつき切り返してきます。
相手が必死に切り返し続けてくれることによって、皆さんは自分の限界ギリギリかそれを超えてプレーしているのです。
それは、とても素晴らしい時間だとは思いませんか?
ポイントを取れる時もあれば、失うこともあります。
試合に負けてしまうこともあるかもしれません。
しかし、そのような結果に一喜一憂しすぎないで、それまでプレーしてきたお互いの時間を考えてみてください。
全力を尽くしてラリーしてきた時間は、間違いなく皆さんの実力を引き上げています。
そしてそれは、相手が必死に切り返し続けてくれたからです。
「私の全力のショットを、一生懸命切り返してくれてありがとう」
そんな気持ちをプレー中に持てたとしたら、皆さんは今よりもっと素晴らしい選手になることができます。
ただの「強い選手」ではなく、「強くて素晴らしい選手」になれます。
次に会った時には、そんな素晴らしい選手になって再会しましょう。
このようなお話をして、記念撮影をして、練習会は終わりました。
グッド・ジェスチャーは、まだ完全にはできません。しかし、子どもたちの心には「よいこと」として残っているはずです。これから先、おそらく身につけていくと思います。
スポーツマンとして、これらの感性を身につけていくことが、私たちのメイン活動であると、「テニス大好き」な子どもたちの汗まみれの笑顔を見ていて、今回も肌で感じました。
これからも、大汗をかきながら笑顔でがんばります!
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